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ブランデーの話

ブランデーの特徴

 ブランデー(Brandy)の定義は、フルーツを発酵させ、蒸留したお酒のすべてをさす言葉なのですが、ただ「ブランデー」と言うときは、一般的にブドウから造ったグレープブランデーのことをさします。
ブドウ意外を原料にした場合は、フルーツブランデーと総称されて、りんごで造るとアップルジャック、さくらんぼで造るとキルシュワッサーなどと ブランデー意外の名称で呼ばれることが多くなります。

 ブランデーがいつ頃から造られるようになったのかは正確には不明ですが、中世の錬金 術士がワインを蒸留したら金になるのではないかと(笑)、ワインを蒸留したのが始まり ではないかと言われています。
フランスでのブランデーの最古の記録はアルマニャック地方のオー・ガロンヌ地区にあり 1411年にはこの地方で、オー・ド・ヴィー(フランス語で命の水)が造られていたと記録 にあります。17世紀には、コニャック地方で企業化されたブランデーづくりが始まって います。やはりこちらもウイスキーと同じく産業革命が絡んできます。
 今やブランデーの代名詞的存在のコニャック地方のブランデーですが、もとはワインで 有名なこの地が1562年からの宗教戦争でワイン畑が荒廃し、オランダの貿易商のすすめで ワインを蒸留し、北欧やイギリスに販売したのがはじまりです。
このブランデーが1880年代のフィロセキラ害虫によって生産料が激減したおかげでイギリ スの上流階級から庶民までウイスキーが広まったのですから面白いものです。

 ブランデーと言えば質、生産量共にフランスが有名です。なかでもコニャックと アルマニャックは世界的に知られています。

コニャック(Cognac)

正式にはオー・ド・ヴィ・ド・ヴァン・ド・コニャック(Eau-de-vie de vin de Cognac)といいます。(長いー!)
コニャック市を中心としたシャラントとシャラント・マリティームの法定地域内で造られます。
それ意外で造られたものはコニャックと称することができません。
原料のブドウのの大部分はサンテミリオン(現地ではユニブランと呼ぶ)ですが土壌の質 により6地域に区分されています。

1、グランド・シャンパーニュ(Grande Champagne)
  熟成に年月はかかるが、香り高く繊細で、上品な香りがする。
2、プティット.シャンパーニュ(Petite Champagne)
 グランドシャンパーニュに次ぐ優れたブランデー。比較的熟成は早い。
3、ボルドリ(Borderies)
  腰が強く豊かな香りのブランデー。
4、ファン・ボア(Fins Bois)
   若々しく軽快なブランデー。
5、ボン・ボア(Bons Bois)
  香味が、やや痩せている。
6、ボア・ゾルディネール(Bois Ordinaires)
  やや荒い風味のブランデー。

グランド・シャンパーニュ地域で、収穫から出荷まで一貫した作業のモノはグランド・シャンパーニュと表示できます。
グランド・シャンパーニュに50%以下の割合いでプティット・シャンパーニュのブランデーをブレンドしたものをフィーヌ・シャンパーニュ(Fine Champagne)と表示できます。
ニルヴァーナのメニューにある「ポール・ジロー」などは最高のグランド・シャンパーニュのひとつです。

アルマニャック(armagnac)

 正式にはオー・ド・ヴィ・ド・ヴァン・ド・ダルマニャック(Eau-de-vie de vin d'Armagnac)といいます。(これまた長い!)
フランス南西部アルマニャック地方の法定地域内で造られたものをいいます。
原料のブドウはフォル・ブランシュ、サンテミリオンが主に使われます。
コニャックにくらべて香りが強く、フレッシュな味わいが特徴です。
アルマニャックも土壌の質によって区分されます。

1、バ・ザルマニャック(Bas-Armagnac)
  繊細、優雅な香りのブランデーを産む。
2、オー・タルマニャック(Haut-Armagnac)
  やや平凡な風味。
3、テナレーズ(Tenareze)
  腰が強く、香りが高い。

アルマニャックの場合、同一地域内で生産したもののみ地域名を表示できます。
 

その他のフランス産ブランデー

コニャック、アルマニャック以外のブドウから造られるフランスのブランデーはフレンチ・ブランデーと総称されます。
熟成期間の短いものが多くなります。
 フランスでワイン用のブドウの搾りかすから造られるものを、マール、正式にはオー・ド・ヴィ・ド・マール(Eau-de-vie de marc)といい、ブルゴーニュ、アルザスなど有名ワイン産地で生産され、長期熟成ののち製品化されていす。
有名な高級ワインのロマネ・コンティーのマールなどは良い年にしか造られない絶品だそうですが、残念ながら私はまだ飲んだことがありません。持ってますけど(^^ゞ
(ニルヴァーナのお客さまの中には飲んだことがある方がいらしゃるそうで、羨ましいかぎりです)日本にも入ってきていますが、へたなグランド・シャンパーニュより高価です。(T-T)
ナポレオン

 フランス産のブランデーの中でも「コニャック」と「アルマニャック」が有名だと御説明しましたが、高級ブランデーと聞いて日本人がまっ先に思い付くのが、「ナポレオン」ではないでしょうか?
今回はこのナポレオンの意味について少し触れたいと思います。

結論から言ってしまうと「ナポレオン」とは銘柄ではなく、コニャックやアルマニャックの熟成度合いの目安なのです。
コニャックは通常、若い原酒と古い原酒をブレンドして作られます。
この際、若い原酒の熟成年数により☆☆☆(スリースター)、VSOP、XO、NAPOLEON(ナポレオン)、という表示をすることができます。
この表示の基準については、1983年に全国コニャック事務局(BNIC)により定められています。
 コニャックの原酒は、ブドウ収穫の翌年の3月末までに蒸留を終わらせなければならず、翌4月1日から(アルマニャックは5月1日から)その樽の原酒は コント0(Compte 0)と数えられて、その翌4月1日よりコント1となります。以降一年ごとコント2、コント3と数えていきます。つまりコント5のブランデーは、最小でも60ヶ月超、最長で72ヶ月以下の熟成期間ということになります。
 コニャックとして売るにはコント2以上でなくてはならず、☆☆☆はコント2以上(ややこしいけど3年物ということです)を使用したもの、VSOPやReserveではコント4以上、XO.Extra,NAPOLEONはコント6以上の原酒を使わなくてはなりません。コント7以上には規定がありません。

只、勘違いしないでいただきたいのが、NAPOLEONと表示してあれば偉いというわけではなく、私の大好きなポールジローなどは、15年、25年、35年という表示がしてありますし、その他の銘柄の高級品についても、そのメーカー独自の表示をしてある物が沢山あります。
 アルマニャックのNAPOLEON等の表示については、全国アルマニャック事務局(BNIA)によって、コニャックに準じた基準が設けられています。

その他のフレンチブランデーについては、基準が設けれれていないため、NAPOLEONと表示があっても、ちゃんと熟成したものとは限りません。

さて、ブランデーというお酒は他の蒸留酒にくらべて特殊なのが、瓶も高級なものが多いというところです。
銘柄によっては、値段の差程、味の差のないものもよく見受けられます。
何十万もする高級品はもちろん中身も良いものが入っているのですが、なかには 瓶代が半分以上するような物もあります。
その方面の趣味のある方は良いのですが、私のように中身にしか興味の無い方々は、購入(バーで注文の時も)の際には御注意ください。


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